北方謙三北方三国志三国志の最高傑作。いままでの三国志で物足りない心や志の繋がり。三国志 01の巻 天狼の星の帯より 「私と張飛を、その覇業にくわえていただけませんか?」言っていた。 そういわなければならないような気分に、関羽は襲われていたのである。 天下を取るということについては、実感などまるでなかった。ただ、自分が考えつきもしないことことを考えている人間が、目の前にいる。 人生は捨てたものではない、と思った。「加わると言うと?」「劉備玄徳様のもとで、われら二人は働きたいと思います。」 「なにを言っている」劉備が、声をあげて笑った。 「なにもないのだ、私には。ただ、夢があるだけだ」 三国志 06の巻 陣車の星の帯より 劉備は、手をあげなかった。孔明は立ちあがり、劉備の手をとった。ふるえている。切ないほどにふるえている。 「志の話を、お伺いいたしました」劉備が顔をあげた。瞬きもしない眼から、涙だけが流れ落ちている。 「劉備様の、これまでの戦の話も、よく心に刻みこみました」「私は、なにかを感じたのです。孔明殿の眼が、 まるで琢県で筵を折っていた頃の私の眼のようだ、と思ってしまったのです。闘うべきなのだ、この方は。 理由もなく、そう思ってしまったのです。頼まずにはいられない。ここへ来るようにする自分を、何度止めようとしたことか」 「闘います、私は」孔明は言っていた。 「劉備玄徳様のもとで、天下万民のために、闘います」 「まことに?」「二言はありません」 三国志 01の巻 天狼の星 「これほどの愉悦にみちた『三国志』を、いったい誰が夢想しえたろう!」 三国志 02の巻 参旗の星 「運命にひれふすか、運命をも、ねじふせるか。」 三国志 03の巻 玄戈の星 「滅びゆく者の、鮮やかすぎる軌跡。」 三国志 04の巻 列肆の星 「人の道をも踏み越え、男たちは覇道をめざす。」 三国志 05の巻 八魁の星 「己が手に天運を掴み阿修羅が駆ける!」 三国志 06の巻 陣車の星 「諸葛亮孔明 静謐の竹林を出て、ついに登場!」 三国志 07の巻 諸王の星 「決戦!赤壁の戦い 覇者・曹操に挑む二人の智将」 三国志 08の巻 水府の星 「ついに天下三分か。劉備玄徳、益州に立つ!」 三国志 09の巻 軍市の星 「心の中で蘇る死もある。さらば、関羽雲長よ!」 三国志 10の巻 帝座の星 「英雄は去りゆく。されど、わが夢は消えず。」 三国志 11の巻 鬼宿の星 「闇。心の中の鬼火が燃える。君よ、黙して逝くなかれ!」 三国志 12の巻 霹靂の星 「天下よ、はるかなる地平よ。いまこそ、わが手に。」 三国志 13の巻 極北の星 「蒼茫の地に星墜ちる。五丈原の空、砕け散る夢のかけら。」 北方水滸伝水滸伝(01(曙光の章)) 水滸伝(02(替天の章)) 水滸伝(03(輪舞の章)) 水滸伝(04(道蛇の章)) 水滸伝(05(玄武の章)) 水滸伝(06(風塵の章)) 水滸伝(07(烈火の章)) 水滸伝(08(青龍の章)) 水滸伝(09(嵐翠の章)) 水滸伝(10(濁流の章)) 水滸伝(11(天地の章)) 水滸伝(12(炳乎の章)) 水滸伝(13(白虎の章)) 水滸伝(14(爪牙の章)) 水滸伝(15(折戟の章)) 水滸伝(16(馳驟の章)) 水滸伝(17(朱雀の章)) 水滸伝(18(乾坤の章)) 水滸伝(19(旌旗の章)) 北方太平記武王の門(上巻) 武王の門(下巻) 破軍の星 楠木正成(上) 楠木正成(下) 悪党の裔(上巻) 悪党の裔(下巻) 道誉なり(上巻) 道誉なり(下巻) 陽炎の旗 波王の秋(とき) ジャンル別一覧
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